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しょうねんれんめい

少年連盟

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页

青空文庫

「ほんとうか」

富士男はおどろいて階段をおりた。もし浸水がほんとうなら、この船の運命は五分間でおわるのである。

船室のまんなかの柱には、ランプが一つかかってある。そのおぼつかないうすい光の下に、十人の少年のすがたをかすかに見ることができる。ひとりは長いすに、ひとりは寝台に、九歳や十歳になる幼年たちは、ただ恐怖のあまりに、たがいにだきあってふるえている。富士男はそれを見ていっそう勇気を感じた。

「このおさない人たちをどうしても救わなきゃならない」

かれはこう思って、わざと微笑していった。

「心配することはないよ、もうじき陸だから」

かれはろうそくをともして室内のすみずみをあらためた、いかにも室内にすこしばかりの水たまりができている、船の動揺につれて水は右にかたむき左にかたむく。だが、それはどこからはいってきたのかは、いっこうにわからない。

「はてな」

かれは頭をかしげて考えた。するとかれはこのとき、海水にぬれた壁のあとをおうて眼をだんだんに上へうつしたとき、水は階段の上の口、すなわち甲板への出入り口から下へ落ちてきたのだとわかった。

「なんでもないよ」

富士男は一同に浸水のゆらいを語って安心をあたえ、それからふたたび甲板へ出た。