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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1931(昭和6)年8月号~1932(昭和7)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,920 字 · 219 页
兄弟の永久の秘密を!
人の秘密を立ち聞きするほど卑劣な行為はない、しかも主人兄弟の秘密である。さりとて聞いてしまったうえは、もはやとりかえしがつかぬ。モコウは足をしのばしてボートへ帰り、ひとり出発の準備をしていると、やがて富士男がひとりもの思わしげに帰ってきた。
「次郎さんは?」
とモコウがきいた。
「次郎はいまうさぎを撃っている」
富士男はこういってボートにはいった。
「富士男さん!」
モコウはとつぜん富士男の前にひざまずいた。
「ぼくはひじょうに悪いことをしました」
「なんだきみは?」
富士男はおどろいてモコウの顔を見た。
「ぼくはいま木の陰へゆきましたら、聞くともなしに次郎さんの告白を聞きました」
「聞いたか?」
富士男の顔は、さっと青白くなった。
「聞きました、聞くつもりでなかったけれども聞きました。ですが富士男さん、どうか次郎さんの罪をゆるしてあげてください」
「ぼくは兄弟だからゆるしてやりたいが、しかしみんなはけっしてゆるさないだろうと思う」
「むろんゆるしはしますまいが、それをいま荒らだてて言ったところで、しようのないことです、いずれ次郎さんにはそれをつぐなうだけの手柄はさせますから、それまではどうか秘密にしてあげてください」