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みんざんのいんし

岷山の隠士

国枝 史郎

「大衆文芸」1926(大正15)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,095 字 · 19 页

青空文庫

爾其れ三思せよ。故に諭す」

実にどうどうたるものであった。

皇帝はすっかり喜んでしまった。

そこで李白は階を下り、蕃使の前へ出て行った。文字通り蕃音で読み上げた。

蕃使面色土のごとく、山呼拝舞し退いたというが、これはありそうなことである。

奇毒、すなわち渤海の王も、驚愕来帰したということである。

「俺は長安の酒にも飽きた」

で、李白は暇を乞うた。

皇帝は金を李白に賜った。

李白の放浪は始まった。北は趙魏燕晋から、西は※岐まで足を延ばした。商於を歴て洛陽に至った。南は淮泗から会稽に入り、時に魯中に家を持ったりした。斉や魯の間を往来した。梁宋には永く滞在した。

天宝十三年広陵に遊び、王屋山人魏万と遇い、舟を浮かべて秦淮へ入ったり、金陵の方へ行ったりした。

魏万と別れて宣城へも行った。

こうして天宝十四年になった。

ひっくり返るような事件が起こった。

安祿山が叛したのであった。

十二月洛陽を陥いれた。

天宝十五年玄宗皇帝は、長安を豪塵して蜀に入った。

李白の身辺も危険であった。宣城から漂陽にゆき、更に中に行き廬山に入った。

玄宋皇帝の十六番目の子、永王というのは野心家であったが、李白の才を非常に愛し、進めて自分の幕僚にした。