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すばなれのふな
巣離れの鮒
佐藤 垢石
「釣りの本」改造社、1938(昭和13)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,032 字 · 2 页
鈎素は下鈎は六寸、上鈎が四寸程度である、仕掛けの全長は竿よりも三、四尺短くするのが探りいいのである。道糸に一分玉から二分玉くらいの玉浮木を五、六寸間隔に七、八個つける、下から次第に上の方へ玉を大きくしていく人もあるし、それと反対にする人もある。それは好き好きである。なるべく形の大きい蚯蚓を餌にして枯れた真菰のまわりや腐った藻の切れ目などへ道糸を垂直につるし込み、入れると間もなく数多い玉浮木がずるずると引っ張り込まれていく興趣は実に何ともいわれない。ここには沢山いるというところを発見したら、そこで携えていった数本の竿を出して並べ釣りをやるのもいいだろう。探り釣りには時々ほんとうの尺鮒が出るから油断はならない。
釣り場は何といっても関東一の鮒釣り場と称されている茨城県稲敷郡と鹿島郡に跨がる水郷地方である。千葉県の神崎向こう地が最も便利で、そこには脇川、ムジナ塚、新利根川、戸指川、グル川、大重沼、押っ堀、上の島、西代、荒川河、役前、四ツ谷前など、数里の間にいくつとも知れない広い釣り場がある。何百人押しかけたところで混み合うなどということは決してない。
十年秋の出水で、この多くの釣り場へは霞ヶ浦、北浦、大利根川などから沢山の形のいい鮒が入り込んでいる。