轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

林不忘『巷説享保図絵・つづれ烏羽玉』。同一底本的分册已合并为一书。收入:巷説享保図絵、つづれ烏羽玉。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 365,120 字 · 728 页

青空文庫

あれから小半刻、どこをうろついているのだろう。そのあいだに何が持ち出されたかしれやしない。

むっとした文次、往来の上下を睨めまわすと、屋敷町の片側通りだ、御府内といえ、一つ二つ横町へそれたばかりなのにもうこの静けさ、庫裡のように寂寞としたなかに、八つ下がりの陽ざしがやけにかんかん照り返って、どの家からともなく、美しい主をしのばせぶりに、ころりんしゃん、かすかに琴の音がもれている――。

あてにならない御免安を、いつまで怒っていたところで果てしがないと気が付いた文次は、ふとわれにかえったように、改めて眼の前の、饗庭の屋敷というのへ瞳を凝らし出した。

禄高四百石、当時小普請入りのお旗下饗庭亮三郎が住まいである。

一口に旗下八万騎といっても、実数は二万五千から三万人、その中に一万石譜代大名に近い一から槍一筋馬一頭二百石の十まであって、饗庭はどっちかといえば、まずきりに近いほうだから、この屋敷にしたところで五百坪はないくらい、決してたいした構えではないが、それでも格式だけは大事にして、明様の土塀に型ばかりのお長屋門、細目に潜りをあけてのぞくと、数寄屋詰道句風をまねた前庭の飛び石づたいに、大玄関の敷台が見えて、何年にも手入れをしないらしく雑草にうずもれて早咲きの霧島がほころびているぐあい、とにかく、町人づらをおどかす