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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
12 名高かった店などの印象
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,857 字 · 10 页
だりはねたり」のおもちゃを売っていた。蛇の目の傘がはねて、助六が出るなど、江戸気分なもの、その頃のおもちゃにはなかなか暢気なところがありました。
雷門は有名ほど立派なものではなく、平屋の切妻作りで、片方が六本、片方が六本の柱があり、中心の柱が屋根を支え、前には金剛矢来があり、台坐の岩に雲があって、向って右に雷神、左に風の神が立っていました。魚がしとかしんばとか書いた紅い大きな提灯が下がって何んとなく一種の情趣があった。
仁王門は楼門です。楼上には釈迦に十六羅漢があるはず。楼下の左右には金剛力士の像が立っている。
仲店の中間、左側が伝法院で、これは浅草寺の本坊である。庭がなかなか立派で、この構えを出ると、直ぐ裏は、もう田圃で、左側は田原町の後ろになっており、蛇骨湯という湯屋があった。井戸を掘った時大蛇の頭が出たとやらでこの名を附けたとか。有名な湯屋です。後ろの方はその頃新畑町といった所、それからまた田圃であった。
伝法院の庭を抜け、田圃の間の畔道を真直に行くと(右側の田圃が今の六区一帯に当る)、伝法院の西門に出る。その出口に江戸侠客の随一といわれた新門辰五郎がいました。