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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
52 皇居御造営の事、鏡縁、欄間を彫ったはなし
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,415 字 · 5 页
それに日限りもあることで、毎日其寺に通い充分注意を致して仕事に取り掛かりました。
仕事は私一人でなく、弟子を使い、荒彫りは自分がして、仕上げは弟子にも手伝わせ、まず滞りなく仕事を終って首尾能く掛かりの方へ納めたことでありました。出来上がったのが四月……桜の花の散る頃でありました(手伝わせた弟子には林美雲氏も山本瑞雲氏もおりました。美雲氏は既に故人となったが、後に美術学校の助教授をもしたことであって、至極穏健な作をする人であった。東雲師のお宅で年季を勤め上げ、一人前になろうという所で師匠が歿されましたので、その後は私の許に参って私の弟のようになったのであります。また山本瑞雲氏は現存で今日盛んに活動しております。この人は元萩原国吉といいましたが、後に実家の山本姓に復し号を瑞雲と改めました)。
鏡縁が納まると、今度は御欄間の彫刻を仰せつかりました。
これは七宝に山鵲の飛んでいる図であった(山鵲という鳥はちょっと鵲に似て、羽毛に文系があり、白冠で、赤い嘴、尾が白くて長い。渡り鳥の一種で、姿の上品な趣のある鳥です)。それが済むと次は同じく欄間で鉄線蓮唐草の図(鉄線蓮はよく人家にある蔓草で、これも紋様などにして旧くから使われているもので、大変趣のあるもの、葉は三葉で一葉を為し、春分旧根から芽を出し、夏になって一茎に