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へいげんのきととり

平原の木と鳥

小川 未明

「黒色戦線 第2次」1931(昭和6)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,473 字 · 7 页

青空文庫

だから、君の評判は、高いけれど、かえって、安全なのです。これに反して、私たちは高く上がらないでしょう。あるいは、性質上できないのかもしれません。いつも、こずえのいただきから、いただきへと飛びまわって叫んでいます。そして、君のいわれるように、私の声はあちらの町や、海の上にまで達しないかもしれない。けれど、野原に生活するいっさいのものに、村で働くすべてのものに、春の魂をふき込んでいます。君の叫びと私の叫びと、叫びがちがうとはけっして思っていない。敵にねらわれるということからいえば、地上にいるだけにどれほど、私たちのほうが、危険であるかしれないでしょう。」

ほおじろは、こう、傲慢なひばりに向かって、答えました。ひばりは、この言葉をきかぬふりして、あざけりながら、空に、吸い込まれるように舞い上がって、姿を消してしまったのです。しかし、その朗らかに、歌う声だけはきこえてきました。

ほおじろは、先刻から、同じ田の畦道に立っているはんのきにとまって、あたりを見まわしながら、くわを取る百姓に、すきを引く牛に、馬に、勇気と、自由の精神をふるいたたせようとさえずっていたのです。