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ねんぷ
年譜
宮本 百合子
「現代文学全集 第五十六巻」改造社(1931年までの年譜)、1931(昭和6)年3月、「宮本百合子研究」津人書房、1948(昭和23)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,820 字 · 36 页
「ペンクラブ」も国際的連帯をたって「日本ペンクラブ」となり、日本浪漫派の人々は亀井勝一郎、保田与重郎、中河与一を先頭として「日本精神」の謳歌によって文飾されたファシズム文学を流布した。女詩人深尾須磨子はイタリーへ行って、ムッソリーニとファシズムの讚歌を歌った。私は目白の家で殆ど毎日巣鴨へ面会にゆきながら活ぱつに執筆した。表現の許される限りで、戦争が生活を破壊して、小学校の上級生までが勤労動員させられはじめた日本の現実を描きたいと思った。この年に書いた小説はどれも、作者のその基本的な熱望の上にたっていた。しかし表現はむずかしくてどの作品もかろうじて全篇を流れる気分として戦争に対する反対を表し得たばかりであった。文芸評論でいわゆる日本的なものの本質の究明とエセヒューマニズムとの闘いが意図された。
この年の一月目白三ノ三五七〇の家に引越した。一九三一年の秋の末から、段々宮本と会うことの多くなった頃住んでいた家が、じきそばにあった。新しく引越した家は朝夕の出入りにその二階やのわきを通る位置にあった。目白の家でこの年はどっさり執筆した。
執筆
一月。子供のために書く母たち。