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こうふくについて

幸福について

宮本 百合子

「婦人画報」1946(昭和21)年5月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,007 字 · 18 页

青空文庫

それで、はじめてこんど、憲法らしい形で、憲法が出来たわけでありますが、人は総て平等なり、国民は働く権利をもっている、などといわれております。

人は平等なり、と申しますが、そのときに、みなさんは、きっとお思いになるでしょう。この頃いろいろなことで、女子が出ても、選挙の問題や婦人の問題ばかりでなく、刑法・民法のように、まだまだ差別のあることを御承知でしょうし、婦人は公民権をもっておりませんし、代議士になって、いろいろよい施策をやるとしても、いろいろな役割をするにしても、地方の町で実際に行って実現する、働いて行く能力というものは、認められてはいないのです。ですから、こんど男子のように代議士に女がなったとしても、それだけでは「男女は平等なり」ではないのです。平等、平等といっても、言葉のうえの遊びではないのであります。

憲法のなかで、平等ということがいわれていますけれども、現実に、同じ仕事を、同じ量した労働者には、同じ賃金を支払わねば、ちっとも平等でないわけで、こうした、労働の第一の根本問題があれでは、はっきりされておりません。

また、あそこには、人は働く権利をもっている、と、はっきり、明文化してございますけれども、そうしますと、女と男とが、同じ権利をもって、同じ条件で働かねばならない。