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ゆうれいせんのひみつ

幽霊船の秘密

海野 十三

不詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,846 字 · 62 页

青空文庫

これを読むと、お前の船にのっている者は、みんな海底に沈んでしまうぞという意味にとれる。

「け、けしからん」

見ていた船員たちは、拳をかためて、怒りだした。

だが、さすがに佐伯船長は、怒るよりも前に、和島丸の危険を感づいた。

「おい、みんな。これは遭難の前触れに決った。お前たちは、すぐ部署につけ。おい事務長銅羅をならして、総員配置につけと伝達しろ」

船長のこえは、疳ばしっていた。

さあたいへんである。船長の言葉が本当だとすると、もうすぐなにごとか災難がこの和島丸のうえにくるらしい。折も折、このまっくらな夜中だというのに、なんということだろう。

「さあ、甲板へかけあがれ」

「おい、こっちは機関室へいそぐんだ」

船員たちは、樹と樹の間をとびまわる猿の群のように、すばしこく船内をかけまわる。

「探照灯や室の外にもれる明かりを消せ。目標となるといけない」

船長は、つづいて第二の号令をかけた。

探照灯は消された。窓は、黒い布でふさがれた。たちどころに灯火管制ができあがった。やれやれと思った折しも、船の底にあたって、ごとんと、ぶきみな物音がして、船体ははげしく揺れた。

「あっ、今のは何だ」