轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はいとうだいのかいちょう

廃灯台の怪鳥

山本 周五郎

「少年少女譚海」博文館、1938(昭和13)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,578 字 · 18 页

青空文庫

だが、二十年も前に射殺され剥製にされた物が動きだす筈はない。絶対に有得べからざる事だ。

新田青年はそっと起上った。

――宜し、先ずそれを慥めてやろう!

彼は洋灯を持ってそっと部屋を出た。

跫音を忍ばせながら螺旋階段を登って、観測室へ入った。壁には例の怪鳥がちゃんと懸っている。両翼は飾釘で壁へ確りと止められてあるし、踏ひらいた脚も真鍮の環で堅く緊着けられている。

――例えこの怪鳥が祟るとしても、是では断じて壁から放れる事は出来ない。

――とすると?

吉井を襲い、彼を襲った物は他にある筈だ。壁に懸けられた怪鳥の他に、彼等を襲ったもう一羽の怪鳥……。

――待てよ。

新田は椅子に掛けて考えた。

――あれは果して怪鳥だったろうか、風で扉が開いた、洋灯が消えた、闇の中で両の翼を拡げたあの姿、慥に壁の怪鳥と思ったが、今思うと……そうだ、そうだ、奴は床に立っていた。

新田は弾かれたように立上った。

彼は洋灯を手に取って、仔細に床の上を検べ始めた。そして怪鳥の立っていたと思われる処から、小さな銭蘚苔の固りが落ちているのをみつけた。彼は叮嚀にそれを拾って紙に包み、更に隈なく室内を検べた上、扉を開けて歩廊へ出た。