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ゆみまちより
弓町より
石川 啄木
「東京毎日新聞」1909(明治42)年11月30日、12月2日~7日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,684 字 · 18 页
自分で自分を自殺しうる男とはどうしても信じかねながら、もし万一死ぬことができたなら……というようなことを考えて、あの森川町の下宿屋の一室で、友人の剃刀を持ってきて夜半ひそかに幾度となく胸にあててみた……ような日が二月も三月も続いた。
そうしてるうちに、一時脱れていた重い責任が、否応なしにふたたび私の肩に懸ってきた。
いろいろの事件が相ついで起った。
「ついにドン底に落ちた」こういう言葉を心の底からいわねばならぬようなことになった。
と同時に、ふと、今まで笑っていたような事柄が、すべて、きゅうに、笑うことができなくなったような心持になった。
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そうしてこの現在の心持は、新らしい詩の真の精神を、初めて私に味わせた。
「食うべき詩」とは電車の車内広告でよく見た「食うべきビール」という言葉から思いついて、かりに名づけたまでである。
謂う心は、両足を地面に喰っつけていて歌う詩ということである。実人生と何らの間隔なき心持をもって歌う詩ということである。珍味ないしはご馳走ではなく、我々の日常の食事の香の物のごとく、しかく我々に「必要」