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やくにんがくさんそく

役人学三則

末弘 厳太郎

末弘厳太郎『役人学三則』。同一底本的分册已合并为一书。收入:役人学三則、役人の頭、嘘の効用、新たに法学部に入学された諸君へ、小知恵にとらわれた現代の法律学、法学とは何か。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 86,454 字 · 172 页

青空文庫

という問題です。この問題は日本の裁判官はもちろん外国の裁判官にもしばしばたずねてみました。ところがこれに対する答えはほとんど常に「結論が直感的に先に出る、理屈はあとからつけるものだ」というのでした。しからばその直感的に出てくる裁判の結論なるものはいかなる心の働きから出てくるのか、私は次にこの問題を考えたのです。裁判が理屈から生まれてくるのではないとすれば何から生まれてくるのか。単なる感情とか好悪から生まれてくるのでないことだけは明らかです。それで私の考えでは、それは裁判官の全人格の力で生み出されるのだと思うのです。したがって裁判官として一番大事なものは人格の完成です。これを完成する一要素としてむろん法律の知識は必要です。しかし、それはほんの一部分です。もしも最も理想的にいえば、「なんじ人を議することなかれ」という言葉のとおり、人間には人を裁くだけの力はないのかもしれません。しかしとにかく裁判官になった以上、人を裁かないわけにはいかないから、そのみずから心がけて努むべきことは人格の完成、一分でも一厘でも神に近づかんとする努力、それが裁判官として最も大切なことだと思います。