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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

受朋友之托调查一个神秘女子的过去,却一步步走进她背后复杂的情感世界,真相远比你想象的更耐人寻味。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,333 字 · 385 页

青空文庫

敬太郎はこの点において実際須永が横着過ると平生から思っていた。「余計な事ですが、少し目上の人から意見でもして上げるようにしたらどうでしょう。今御話の矢来の叔父さんからでも」と全く年寄に同情する気で云った。

「ところがこれがまた大の交際嫌の変人でございまして、忠告どころか、何だ銀行へ這入って算盤なんかパチパチ云わすなんて馬鹿があるもんかと、こうでございますから頭から相談にも何にもなりません。それをまた市蔵が嬉しがりますので。矢来の叔父の方が好きだとか気が合うとか申しちゃよく出かけます。今日なども日曜じゃあるし御天気は好しするから、内幸町の叔父が大阪へ立つ前にちょっとあちらへ顔でも出せばいいのでございますけれども、やっぱり矢来へ行くんだって、とうとう自分の好きな方へ参りました」

敬太郎はこの時自分が今日何のために馳け込むようにこの家を襲ったかの原因について、また新らしく考え出した。彼は須永の顔を見たら随分過激な言葉を使ってもその不都合を責めた上、僕はもう二度とあすこの門は潜らないつもりだから、そう思ってくれたまえぐらいの台詞を云って帰る気でいたのに、肝心の須永は留守で、事情も何も知らない彼の母から、逆さにいろいろな話をしかけられたので、怒ってやろうという気は無論抜けてしまったのである。