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ふっかつさい

復活祭

久生 十蘭

在线阅读久生 十蘭《復活祭(ふっかつさい)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,018 字 · 23 页

青空文庫

博徒時代はたいへんなものだったらしいが、「三笠」をはじめるとそのほうはピタリとやめ、カルタの端にもさわらなかったそうで、顔も南瓜親爺のようなおどけた顔つきになり、むかしを思いださせるようなものはなにもなかった。アメリカのことにはどちらも触れず、鶴代の母の話が出たことはいままでただのいちどもなかったが、きょうはいつもの川田とちがっていた。

「ユウがマザアとシスコへ来たのは、あれは何年だったろう。面白いといえば面白い時代だった」

鶴代は川田の横顔をじろじろながめながら、本牧のナイト・クラブや入港船のサロン・スタジオでこのごろポオカアの大きな勝負があるというのは、案外、川田あたりが仲人をしているのではないか、バクチウチが身なりに凝るのは仕事にかかっている証拠で、川田もやはり堅気になりきれず、むかしの生地をだしはじめたのではないかと思った。

「川さん、きょうはさかんにユウのマザアが出るわね。どうしたの」

「どうした、ってのは」

「むかしがなつかしくなるのは危険な徴候だわ。またはじめてるんじゃないでしょうね」

「馬鹿なことをいってる」

「ドレスアップしていったいどこへ押しだすつもりなの。