轻松读懂日语经典作品
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こころのアンテナ
心のアンテナ
佐々木 邦
「現代」大日本雄辯會講談社、1937(昭和12)年1月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,973 字 · 27 页
気に入れば、それから先の問題がある。考えて見ると、気が気でない。
「銀さん、年から言っても、あなたが一番の兄さんよ。兄弟子として、しっかりして下さらなければ困りますよ」
と奥さんが元気をつけてくれた。
「へい」
「あなた、この頃、少しボンヤリしていやしません?」
「心配事があるものですから」
「何が心配?」
「これってこともないのに、気になるんです。神経衰弱かも知れません」
「駄目ね」
銀二郎君は雑誌の編輯に力を入れた。師匠に科白を書いてやったくらいだから、筆を執ると達者だ。しかし本業の方では兎角弟弟子達に対して引け目を感じる。然うひどく劣るとも思わないが、芸には誰も己惚がある。それを差引くと、後は形なしかも知れない。その辺、美代子さんの思惑が心許ない。美代子さんも芸道に重きを置いている。
「美代子さん」
「はあ」
「僕、随分違いますか?」
「何が?」
「鐙君や錺君と格段に違いますか。二階でお聴きになっていて」
「同じようですわ。でも、お父さんに似ているのは矢っ張りあなたよ。私、間違えるくらいですから」
「本当に然うだと有難いんですけれど」
「何うしてそんなことお訊きになりますの?」