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しんれいさつじんじけん

心霊殺人事件

坂口 安吾

「別冊小説新潮 第八巻第一四号(創作二十二人集)」1954(昭和29)年10月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,557 字 · 52 页

青空文庫

「ビルマに兄さんの子供なんかがあるはずないけど、オヤジがあんなこと云いだすからには、兄さんの奥さんと子供が必要なんだ。だから必ずビルマから兄さんの奥さん子供と称してビルマの田舎女とその子供をつれてくると思うね。どういうコンタンだか、オヤジの商法は一般の商法では見当がつけられないけど、たとえば財産を無智盲昧な異国の女子供名儀に書き変えるような必要があるに相違ないね。だから霊のお告げッて奴を通用させちゃア我々の破滅だね。特にぼくのような一寸法師には深刻だよ。ぜひとも心霊術のインチキをあばかなくッちゃア」

口中からのべつ泡をふきたてての必死の熱弁であり決意であった。

勝美とミドリも、父のコンタンは判らぬながらも、とかく兄の未亡人とその子と称するビルマ人に乗りこまれては迷惑だ。たとえ父の道具にすぎない異国人でも、かりにも兄の未亡人とその子とあっては自分たちに都合のよくなるはずはない。心霊術のお告げのインチキはぜひとも見破って無効にすることが何よりなのだ。

だから辰男らの九太夫にたのむところは絶大で、特に辰男は日どりの確定を伝えがてら九太夫の旅館を訪ねて、