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しんれいさつじんじけん
心霊殺人事件
「別冊小説新潮 第八巻第一四号(創作二十二人集)」1954(昭和29)年10月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,557 字 · 52 页
他にたとえば翌日やるはずになっておった幽霊をだして物をきき物を語らせるというのがむしろ心霊術の主眼ですが。え? その種あかしですか? そればッかりはカンベンして下さい。それを知られてしまえば元も子もなくなるのでしてな。ま、私は私なりに発明した手法などがありましてな。他の業者にもそれを知られてしまえばこんな不都合はありませんでな。え? あの晩のガラガラですか。あれも私の新作でして、ありきたりの手法に満足しなくなった見物衆のドギモをぬくために近ごろ発明いたしました。今回ははじめての依頼者ですから、敵地へのりこむ心得で新作品を一二用意して参ったのですが、それが犯人に利用されるとは思いがけないことでしたな。鉄丸の目方は三ポンド半です。え? 伊勢崎さんは四ポンドぐらいの鉄丸と仰有いましたか。おどろいたお方ですな。何もかも見通しじゃアありませんか。とてもかないません。いえ、犯人が私の方を廻って行ったような気配はありませんですな。左様、私の位置が犯人には判るまいと思われますので、私をすりぬけて行くことは不可能ではありますまいか。もっとも伊勢崎九太夫さんなら、それはできます。