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かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页

青空文庫

「冒険に心配は禁物じゃ。科学のともなわぬ冒険は、もう古い。わしの人造島は、自力をもって、時速十三海里の航海が出来る。つまり、この人造島は、大洋の浮島であるとともに、一種の方船なのさ。しかも、海中深く潜んでいる、すばらしい幾つかの推進機は、動力所の押ボタン一つで、猛然と回転してくれるのじゃ。動力所の心臓部を抑えながら、わしと君は数十人の敵を同伴して、一路日本へ針路を向けようじゃないか……。なアに、万一、この冒険が失敗したら、そのときは、潔く、海中の藻屑となったらいい」

「よくわかりました。僕はやります」

「では、君は、夜半に格納庫を襲うてもらおう。わしは、同時刻に動力所を襲うて、彼処を占拠してみせる。君は、格納庫に火を放つのじゃ」

「爆弾がございますか」

「爆弾のような化学兵器が、手に入るくらいなら、こんな命がけの冒険はせんよ。爆弾があれば、宿舎に投げつけて、技術員も、雑役夫も、みんな一気にやっつけることが出来るじゃないか。われわれは、敵に監視されている、全くの無力者だ。そこで、非常手段をとらねばならぬ」

老博士は、僕の耳元へ、秘策を私語いた。

格納庫夜襲