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かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页

青空文庫

「よいか、わしの味方の一人はいま、格納庫を襲うて、おまえたちの唯一の足である飛行機を焼こうとしている。そこで、わしは、この動力所を襲うて、人造島の心臓部を握るのだ。われわれは、兵器会社の技術員たちに、戦いを挑まねばならない。おまえは、わしの味方になるか、それとも反抗するか」

「味方になります」

「よろしい。では、おまえの任務に忠実であれ」

このとき、彼方の格納庫のあたりが、急に明るくなり、ボーッという、凄まじい音がきこえて来た。

「ほう、やったな。おい、窓の外を見ろ。わしの味方が、格納庫を焼いたぞ」

云われて、機関士は、窓から顔を出した。

「あッ、火事だ」機関士は、おどろいて、戸外へ飛び出そうとした。

「おい、これがわからぬか」

老博士は、ステッキを突付けた。

「此処を動いてはならない。でないと、人造島が溶けてしまうのだ。飛行機が焼けてしまったし、島が溶けたら、どうなるとおもうか」

「…………」

機関士は、神妙に機関の前に戻った。

格納庫は、物凄く火焔を吐いている。

と、忽ち、人々の叫喚が嵐のように起った。目茶苦茶に、発砲するものもあるらしい。大変な騒ぎとなった。