轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页
こうして、祖国の領海が、白人密猟者のために、さんざ荒されるのを傍観して、僕は、おもわず、腕を扼し、義憤の涙に瞼を濡らすのだったが、多勢に無勢、なんとも手の下しようがない。ある朝、船長はじめ、みんなが、相変らず猟に出かけたあとで、陳君は、船長室からやってきて僕に耳打ちした。
「君、奴等の密猟も、あと二、三日だぜ。いまのうちに何とかしないと、生命があぶないぞ」
「うむ。僕も、あせっているが、妙案がないので弱っている。僕は、最後の手段として、火薬庫に忍込んで、日本の領海を荒し廻るこの船を、一挙に爆破してやりたいくらいだ」
「なるほど……。だが、爆破したら、君も僕も、木葉微塵になってしまうじゃないか」
「仕方がない。みすみす奴等に殺されるよりか……」
「爆弾勇士は、僕は、不賛成だ」
「え! どうして?」
「もっと、旨い考えがあるからさ。僕なら、この船を奪ってやるよ」
「へえ、船を奪う?……。いったい、そんなことが出来るかい」
「出来るとも、見ていたまえ」
陳君は、確信ありげにいうが、彼とて、たかが船長附のボーイではないか、お茶を運んだり、靴を磨いたり、寝台の毛布を畳んだりする役目のボーイが、この千五百噸級の汽船を、海賊たちから易々と、奪うことが出来るものか。