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かいきじんぞうとう
怪奇人造島
寺島 柾史
「日本少年 付録」1937(昭和12)年8月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 43,159 字 · 87 页
僕は、もはやこれまでとおもって、その場にあったハンマーを執ると、
「やッ!」とばかり、機関を叩きつけた。
「あッ!」殺到した悪鬼のような人々は、おもわず声を呑んだ。おのれの心臓を、叩きつけられたも同然である。僕は、続けざまにハンマーを揮って機関を叩きつけた。歯車は砕け、シャフトは折れ、低温蒸気は、凄まじい勢いで、折れまがったパイプの裂け口から吹き出した。僕は、汗を拭きながら、人々を振かえって云った。
「さア、これで万事休矣だ。敵も味方も、仲好く、海底見物をしよう。動力が停ったら、この島は、次第に溶けていくだろう。もう、お互に争うことを止めようじゃないか」
誰も、これに応えるものはなかった。
老博士を組敷いている人々も、その場を離れ、呆然として、僕を見るだけだ。今は誰一人、僕に組付いてくるものもない。死のような沈黙が、動力所の内外にひろがって来た。
老博士は、僕の傍へやって来て、
「よくやってくれた。君の勇気と果断に感謝する。そして、君と一緒に死ぬことを、わしは、悦しいとおもう」といって、僕の手を、固く握り締めた。
「済みませんでした。機関を破壊したりなんかして……」