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あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

蘭郁二郎『怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像』。同一底本的分册已合并为一书。收入:足の裏、穴、息を止める男、腐った蜉蝣、幻聴、孤独、舌打する、植物人間、蝕眠譜、自殺、鉄路、脳波操縦士、古傷、鱗粉。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 109,233 字 · 223 页

青空文庫

森源は、一寸頸をかしげたけれど、すぐ又

「……いや、いいのだ、ただ科学小説とは出来そうな空想をテーマにした小説、現在の科学でもってあり得そうな小説だ。そうでしょう?」

彼は一息ついて、私にその科学小説の定義を呑込ませようとした。

「なるほど、そうですね、月世界旅行というのは面白い考えです――が、地球から出て、果して月にまで行けますかね。というのは地球から月までの距離を一とするとですね、地球の引力は月の引力の六倍だそうですから、その距離の六分の五まで行った時には、つまり月へもう六分の一だ、という所で、両方の引力が零になるわけで、宙ぶらりんになってしまうことはないですかね。寧ろ、その点に太陽か、さもなくば他の星の引力が働いているとしたら、折角、月に向って行ったのに、とんでもない宇宙旅行がはじまってしまうんじゃないですかね」

「そんなことはないさ。地球から月へ向って行く慣性の方が大きいだろうから、月へ寧ろ激突するだろう――そんなことの興味よりも、僕は『大きさ』というものの方が、もっともっと深刻な興味があると思うね。大体ものの『大きさ』というのがすべて相対的のもので、絶対的ではないんだからね。