轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうふのくちぶえ
恐怖の口笛
海野 十三
「富士」1934(昭和9)年8月号~11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 60,713 字 · 122 页
警官隊はホッとした。
「きょうは貴下の御親友である名探偵青竜王は現われないのですか」
と大江山は莨に火を点けながら、雁金検事に尋ねた。
「さあ、どうですかな。先生この頃なにか忙しいらしく、一向出てこないです。しかし今夜のことを知っていれば、どこかに来てるかも知れませんな」
覆面の名探偵は、検事の親友だった。覆面の下の素顔を知っているものは、少数の検察官に止まっていた。青竜王に云わせると、探偵は素顔を事件の依頼者の前でも犯人の前でも曝すことをなるべく避けるべきであるという。だから一度雑誌に出た彼の素顔の写真というのがあったが、あれももちろん他人の肖像だったのである。
再び、トランペットの勇ましい音が始まって、客席の灯火はまたもや薄くなった。いよいよこんどこそは、痣蟹が現れるだろう。
「もう十一時に五分前です」
課長は卓子の下で、拳銃の安全装置を外した。
検察官一行の緊張を余所に、客席ではまた嵐のような拍手が起った。美しい光の円錐の中に、ジュリアを始め三人の舞姫たちが、絢爛目を奪うような扮装して登場したのであったから。カスタネットがカラカラと鳴りだした。一座の得意な出しもの「赤い苺の実」