轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
きょうふのくちぶえ
恐怖の口笛
海野 十三
「富士」1934(昭和9)年8月号~11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 60,713 字 · 122 页
それは一人のようでもあり、二人のようでもあった。と、途端にガチャーンといって硝子の破れるような凄じい音がして、これにはクラブ館の誰もがハッキリと変事に気がついたのだった。
いつもは男子絶対禁制の婦人浴場だったけれど、誰彼の差別なく、入口から雪崩れこんだ。
「どうしましたッ」
と真先に入ったのは、クラブの事務長の大杉だった。しかし内部からはウンともスンとも返事がなかった。
彼は手前にある四番浴室をサッと開いた。そこにはジュリアの衣服が脱ぎ放しになっていた。ノックをして奥の仕切を押し開いたが、どうしたものかジュリアが居ない。噴泉はシャーッと勢いよく出ていた。
彼は直ぐそこを飛び出すと、次の五番浴室に闖入した。そこには派手な千鳥の衣類が花を蒔いたように床上に散乱していた。格闘があったのに違いない。事務長はそこで胸を躍らせながら、奥の仕切をサッと開いた。
「呀ッ!」
と叫ぶなり、彼は慌てて仕切を閉じた。彼は見るに忍びないものを見たのだ。そこには一糸も纏わないジュリアが、大理石彫りの寝像であるかのように、あられもない姿をしてタイルの上に倒れていたのであった。
「オイ、退いた退いた」