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きょうりゅうとう
恐竜島
海野 十三
「PTA世界少年」1948(昭和23)年1月号~終了月は未詳
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,662 字 · 199 页
月にすかして見ると、金黄色にかがやいている。まぎれもなき金貨だ。フランソアは、後のラルサンに手渡した。
野獣のにおいがする。甘いような、すっぱいような、なんともいえぬ香りだ。
「しっ」
モレロがおしとどめた。
「音がしたぞ」
「恐竜が寝返りでもした音ですかな」
「いや、鼻の悪い恐竜が、いびきをかいたのだよ」
「出来るだけ、はじによれ。まんなかを歩くと、恐竜にふみつぶされぬとも限らぬ」
モレロが注意した。
三人はそろり、そろりと暗い洞窟の中を手さぐり、足さぐりですすんでいった。
生あたたかい風がふいて来た。
“恐竜の呼吸だな”
と感じたので、三人は頭をさげて、息を殺した。
心臓が、はげしくなった。全身の血が一ぺんに、大波をたてて、全速力であばれだしたようだ。
「おい、このままで夜明けまでまとう。恐竜が、外に出ていった留守に探検するんだ」
「恐竜も散歩に行くんですかい」
「散歩じゃない。朝になれば食物をさがしに出かけるだろう」
「なるほど、レストランへ行くんですね。明日の朝飯は何んだろう」
「白い牛乳に、焼きたてのトーストパン、それに香りの高いコーヒーか」
「何をくだらんことをいっているんだ。