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ゆかいなきょうしつ
愉快な教室
佐藤 春夫
「マドモアゼル 第一巻第五号」小学館、1960(昭和35)年5月1日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 10,276 字 · 21 页
なるほど犬の歯型が少しばかり傷になって白いお尻に赤く残っている。
「もうわかったわ。早くお尻をしまっておしまい、女の子がそんなにお尻なんか出して見せるものではないわよ」
といつまでもお尻をつき出している当のE子より、みんなの方が顔を赤らめて顔を見合せながら口々にE子をたしなめるが、E子はまだ、
「口惜しくって口惜しくって」
をくり返している。そこでM子が弟のNのことを思い出した。
「犬ってよくそんなことがあるらしいのね。うちの弟も犬が大好きなのに、二度もお尻をかじられたことがあるの。それでもまだこりないで知らない犬とふざけるの。ちょうどE子のと同じぐらいの傷になっていたわ。やはり狂犬病の犬でも何でもなかったの。なんかふざけている拍子に昂奮してついうっかりかじってしまうのではないの? 本当に噛む気ではなくってさ。やっぱり親しみを現わしたつもりではないのかしら」
E子はM子のこの言葉でいくらかきげんをなおした様子で、急いでスカートをおろしながら、てれくさそうに笑っていた。
この間もM子の愛猫ミミーが、めったに家から出たこともないのに、どうしたかげんであったか、三日も家をあけたまま姿を見せないので、みんなが大騒ぎをし、M子もE子にその心配を打ち明けたが、その後二日経ってミミーは帰って来たので、そのことを話すと、