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ゆかいなはなし
愉快な話
豊島 与志雄
在线阅读豊島 与志雄《愉快な話(ゆかいなはなし)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,945 字 · 6 页
皮をはいだ猫の肉を鼠に食わせ、そして鼠算で繁殖する鼠を猫に食わせる。建物だけで、原料は何もいらずに、猫の皮が無尽蔵に収獲されるというのだ。誰かやってみる者はいないか。
これは一寸愉快な話だ。猫の肉だけで鼠が育つものかどうか、そんなことはここでは問題にならない。貧乏人は、奇想天外な金儲の話には、理屈を超越するものだ。
ところが、右の話、実は、イタリーのピチグリリがその作品のなかに、もっと面白く書いている。和田顕太郎氏訳「貞操帯」のなかの「アマチュア探偵」の一部を左に引用してみよう。
――「いろんな商売を盛んにやりましたよ。毛皮製造の商会を始めましたが、付属の建物として、バラックが二棟あります。一方のバラックには、毛皮を取るため、猫を飼いました。もう一棟には、鼠を飼って、猫の餌にするので、うんと肥らせました。猫に食われる鼠は、何を餌に育てるかというと、毛皮をひん剥いだ猫の肉を食わせました。こういう遣り方で、最初は面白いくらい儲りましたがね、ある日のことですよ。鼠に餌をやっても、食いません。猫の肉に匂いがするから御免だというのです。猫の方は、鼠の肉に猫の味がするから、そんな鼠を食うよりも餓え死をした方がいいと言います。