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つきもの
憑きもの
豊島 与志雄
「改造文芸」1949(昭和24)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,983 字 · 27 页
子供のように遊ぶことが大切だ。子供のような純真さ……。
然し、然し、の連続で、何のことやら自分にも分らないのである。それでも、秋子はことごとく賛成してくれる。つまり、二人の間には、見解の相違とか意見の衝突とかは、聊かもないのだ。
私はやりきれなくなる。
「もうお酒は充分でしょう。」と秋子は言う。
こんどは、私の方がそれに従う。
「アドルムはやめましょうよ。」
彼女自身でもそれを服用してるかのような調子で言う。その気持ちは私にも分るし、私はそれに従う。だが、閨の中の彼女は全く消極的で、少しも能動的なところはない。ただぼってりした肉の温みだけだ。何等の技巧も知らないし、呼吸の乱れもなく、眉根に皺を刻むことさえなく、僅かに腹部を波動させるだけである。そしてオルガスムの後で、私の胸に顔を埋めて、くくくくと笑う。何か悪戯をした後の子供のような忍び笑いだ。羞恥の笑いでもなく、人をばかにした笑いでもない。くくくく、ただ本能的な反射的な笑いだ。それが私の心をすっかり冷してしまう。可愛いと思うどころか、何かの欠陥に突き当った感じである。
どうかすると、眼をあけて、と彼女は言うことがある。