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らんだのかるた
懶惰の歌留多
「文芸」1939(昭和14)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,369 字 · 25 页
与えられた運命の風のまにまに身を任せ、そうして大事の一点で、ひらっと身をかわして、より高い運命を創る。宿命と、一点の人為的なる技術。ヴィナスの結婚は仕合せであった。ますらおこそはジュピタア様の御曹子、雷電の征服者ヴァルカンその人であった。キュウピッドという愛くるしい子をさえなした。
諸君が二十世紀の都会の街路で、このような、うらないを、暮靄ひとめ避けつつ、ひそかに試みる場合、必ずしも律儀に三人目のひとを選ばずともよい。時に依っては、電柱を、ポストを、街路樹を、それぞれ一人に数え上げるがよい。キュウピッドの生れることは保証の限りでないけれども、ヴァルカン氏を得ることは確かである。私を信じなさい。
ろ、牢屋は暗い。
暗いばかりか、冬寒く、夏暑く、臭く、百万の蚊群。たまったものでない。
牢屋は、之は避けなければいけない。
けれども、ときどき思うのであるが、修身、斉家、治国、平天下、の順序には、固くこだわる必要はない。身いまだ修らず、一家もとより斉わざるに、治国、平天下を考えなければならぬ場合も有るのである。むしろ順序を、逆にしてみると、爽快である。平天下、治国、斉家、修身。