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わがじんせいかん
我が人生観
04 (四)孤独と好色
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,633 字 · 16 页
いったいにメランコリイの状態には、親しい人には会いたいが、親しくない人には会いたくなくなるものだ。親しいといって一様でなく、又、マサツと関係もあって、その親しさには相当の個人差があるけれども、ハッキリ云えることは、一番親しいものではないということだ。一番親しいものは病気の原因の中にいつも含まれているのだから。だから、一番親しい女房や子供は病因の一つに含まれており、彼らの力だけでは病人をひきとめることはできない。そして、もっと別な親しい要素が貪慾に要求され、渇望される。しかし、その親しさは女房子供以上に親しいことを要しない。又、そのような親しさは有り得ないのである。つまり、やや無関心に類する親しさ、気楽な親しさ、である。いわば、息ぬきなのだ。
下山氏の自殺した現場の近い辺りに、彼が可愛がっていたタイピストが住んでいたという。このタイピストは下山氏が三国人に睾丸を蹴られた時、たった一人助けにきて介抱したインネンをもち、それ以来、彼に可愛がられるようになった。彼はそのタイピストの結婚の贈り物のことなど心配していたということである。
下山氏の綱がきれてフラフラさまよいだした時、この娘のところへ一目会いに行こうと思うのは、彼の精神状態の場合には、甚しく自然である。