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わがじんせいかん

我が人生観

坂口 安吾

05 (五)国宝焼亡結構論

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,599 字 · 19 页

青空文庫

さらに遠く上は北京人類にさかのぼり、下はパールバックの大地に至る、人類の発生からヨーロッパ文明との交流期に至るまでシナ文化史の中枢を徹頭徹尾貫くことに相成った。

日本王朝ならびに日本文化発祥の地、大和に於ても、古代日本を象徴する一本の川が流れていた。曰く、飛鳥川である。

万葉の詩人は、有為転変の人の世を飛鳥川になぞらえて、昨日の淵は今日は瀬となる、と詠歎し、彼らの生活に於て変化の甚しきものは川の流れであることを素朴に表現しているのである。ジュウタン・バクゲキも鉄砲すらもなかった古代に於て、川の流れが、彼らの生命である土地に最も大きな変化を与える怪物であったことは、ジュウタン・バクゲキを数度にわたって経験した小生に於てすらも、文句なしにこれを認めることができる。早川口に於て、利根川に於て胆を冷やし、下っては書物で黄河を読んで舌を巻いたからである。

しかしながら、飛鳥川というものは、川の幅が三間ぐらいしかないのである。山から流れてくるけれども、耳成山だの天ノ香具山だのウネビ山だのという箱庭程度の小づくりの山からチョロ/\と流れてきて、古の帝都の盆地を走っているにすぎない。