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わがじんせいかん
我が人生観
08 (八)安吾風流譚
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,617 字 · 23 页
美食せずとも、生き永らえるだけの食物をなるべく簡単に食えればタクサンだという天性のナマケ者であるから、米を炊くと、オカズが必要である。主食とオカズ、二度三度と手間が多い。ところがアズキは主食とオカズを兼ねたようなもので、ユデアズキに砂糖をぶっかけてそれだけで一食すませることができる。実にカンタンであるから米食とアズキ食と一日交代にやったら、生命に別状もなく、アズキの日は手間が省けて助かるだろうというコンタンなのである。
私はカボチャが好きではないのだが、保存のきく野菜はカボチャだと店の者が教えてくれたから、カボチャも買った。好き嫌いよりも、面倒を省くのが目的であったが、結局カボチャは一度も食べなかった。嫌いな物は、食いたくならないのは、当り前だ。
とうとう、ここで十貫目ぐらいの荷物ができてしまった。雨は益々物凄く、この山中に四百ミりだか五百ミリだかの大雨が降った当日で、この雨と荷物のおかげで、死に損いもしたし、危く命が助かりもした。
日陰和田まで歩く。谷川がある。そこに狸を祭った祠があって、そこから山の中へ谷に沿うて曲りこむのである。私は里の人に狸のホコラ、狸のホコラ、と聞きながら歩きすすんでいたから、怪しい顔でジロジロと見られ、とうとう巡査がドシャ降りをついて自転車で追っかけてきた。