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わがじんせいかん
我が人生観
07 (七)芥川賞殺人犯人
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,326 字 · 17 页
大いに現世の俗情をあらわにして、憎み憎まれる文士の商法も亦可であろう。俗世の人情で小説を書くのも持って生れた才能で、人生は品数の多いのを幸とすべきだろう。オレは一皿で満足だというアマノジャクは、片隅で晩酌をやるがよい。アマノジャクが居て悪いということもない。清濁黒白併存するのが自然である。
しかし、通人の旦那たるもの、大いに道を楽しみ、人情小説を書きながすのは結構であるが、カタキでもないトンデモ・ハップンの姐御を、本気で目のカタキにするのは、大人げない。蓋し、通人通家というものは、身勝手な小言幸兵衛で、甚しく大人げない存在でもあるらしい。論語よみの論語知らずと云うが、ワケ知りのワケ知らずというべきか。通人通家はヤカン頭に湯気を立てがちのものでもあるらしい。そこが御愛嬌でもあろうか。旦那も姐御も、ワカラズ屋という点では、甲乙ない。しかし、姐御が筆の隙間から、目のさめるような酷薄ムザンな正体をさらけだすのにくらべると、旦那はヤカン頭の湯気をポッポッとさらけだしているだけで、トンデモ・ハップンの姐御に円みがないだけ、イキがいいし、目ざましい。この殺人事件を法廷で争うと、とても通人の旦那に勝味はない。