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わがじんせいかん

我が人生観

坂口 安吾

02 (二)俗悪の発見

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,871 字 · 12 页

青空文庫

その意味では白紙であるから、この人たちがどう読むだろうか、という興味もわく。とにかく、文藝春秋を文藝ハルアキと読んでいるではないか。それを正しいと思いこんで、ほかに正しい読み方があることを念頭においたことがないのである。

新聞小説を書くと、こんな人々まで読む、そう考える作者は、ときに楽しくもなる。これは、おもしろいや、そんな気持にもなる。

とにかく、文芸批評家とか、先入主をたてて読む連中よりは、自分だけの生活を唯一の心棒に新聞の小説もよむという白紙の魂のために書く方がハリアイがあることは疑えない。

小説というものは中尊寺のミイラのように俗悪な企業でもある。自分のためだか、人に見せたいためだかもシカとわかりやしない。とにかく金銀で飾りたて、海の彼方へ使者を走らし、及ぶ限りのゼイをこらして、百堂伽藍にとりかこまれ、金色のお堂の下に生けるが如く永眠しようというのである。悲しいミイラよ。もっとも、すごく勇ましいのかも知れん。猪八戒のように天人を怖れざるヤカラでもある。

芸術は、自然に勝らなければならないものだ。東洋の画家は山水花鳥を描き、西洋の画家は女の裸体を描く。