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がらくたがんぐ
我楽多玩具
岡本 綺堂
「新小説」1919(大正8)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,846 字 · 4 页
今でもないことはありませんが、何処の玩具屋にも色々の面を売っていました。仮面には張子と土と木彫の三種あって、張子は一銭、土製は二銭八厘、木彫は五銭と決っていましたが、木彫はなかなか精巧に出来ていて、槃若の仮面などは凄い位でした。私たちは狐や外道の仮面をかぶって往来をうろうろしていたものです。そのほかには武器に関する玩具が多く、弓、長刀、刀、鉄砲、兜、軍配団扇のたぐいが勢力を占めていました。私は九歳の時に浅草の仲見世で諏訪法性の兜を買ってもらいましたが、錣の毛は白い麻で作られて、私がそれをかぶると背後に垂れた長い毛は地面に引摺る位で、外へ出ると犬が啣えるので困りました。兜の鉢はすべて張子でした。概して玩具に、鉄葉を用いることなく、すべて張子か土か木ですから、玩具の毀れ易いこと不思議でした。槍や刀も木で作られていますから、少し打合うとすぐに折れます。竹で作ったのは下等品としてあまり好まれませんでした。小さい者の玩具としては、犬張子、木兎、達摩、鳩のたぐい、一々数え切れません、いずれも張子でした。
方々の縁日には玩具店が沢山出ていました。廉いのは択取り百文、高いのは二銭八厘。