轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
室生犀星『或る少女の死まで 他二篇』。同一底本的分册已合并为一书。收入:或る少女の死まで、性に眼覚める頃、幼年時代。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 113,554 字 · 228 页
畠は、一様に規則正しい畝や囲いによって、たとえば玉菜の次に豌豆があり、そのうしろに胡瓜の蔓竹が一と囲い、という順序に総てが整然とした父の潔癖な性格と、むかし二本の大小を腰にした厳格さの表われでないものはなかった。父の野良犬を追うとき、小柄でも投げるように、小石は犬にあたった。または烏などを趁う手つきが、やはり一種の形式的な道場癖をもっていて、妙に私をして感心させるような剣術を思わせるのであった。
父の居間には、その襖の奥や戸棚には、驚くべき沢山の刀剣が納められてあった。私はめったに見たことがなかったが、ぴかぴかと漆塗の光った鞘や、手柄の鮫のぽつぽつした表面や、×に結んだ柄糸の強い紺の高まりなどを、よく父の顔を見ていると、なにかしら関聯されて思い浮ぶのであった。
それに父は非常に健康であった。へいぜいは俳句をかいていた。父は葡萄棚から射す青い光線のはいる窓さきに、習字机を持ち出して、よく短冊をかいていた。幾枚も幾枚も書きそこなって、
「どうも良く書けん。」
などと言って、うっちゃることがあった。母はそういう日は、次の間で縫仕事をしていた。れいの音一つない家の中には八角時計が、カタ・コトと鳴っているばかりであった。