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あるせんきょふうけい
或る選挙風景
「新潮 第四八巻第七号」1951(昭和26)年6月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,997 字 · 14 页
反ボス的なものの最大な味方たる可能性は浮動票であるが、浮動票は感官的に前述のような欠点がある。
日本の選挙は当分ボス退治が第一だと私は思うね。ボスと共産党は思想に対して暴力的であり、利益に対して策略的で超理論超党派的である点で、同じような存在だ。政党などということよりも、先ずボス退治である。ボスさえ居なければ、何党が政治をやっても、とにかく、そう狂いのある筈はない。しかし、私の住む町のように、金力権力あらゆる点で格段に優勢だったボスが物の見事に落選するというようなことは、にわかに全国的に望めることではなかろう。私の町の場合は浮動票組が多いことと、また候補者の人柄もよかったのだろう。要するに人かね。
当り前のことのようだが、政治家になりたがる人間に限ってロクな人間がいないから困るね。その時はボスでなくとも、当選するといつかボス的になるのが普通だ。金でつくられる政治家が、利権と金を交換するのも自然であろうし、また選挙を食い物にする例の胃袋階級に選挙運動の実力が握られている限りは、ボス的な人間以外はなかなか当選の見込みがないね。
あたかも原子兵器のような拡声器はやめた方がよいかと思うが、しかし、お祭り騒ぎ的なところがないと浮動票組の関心がうかないから、お祭り騒ぎを禁止すると、浮動票組は棄権して、ボスの組織だけ