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せんごぶんしょうろん
戦後文章論
「新潮 第四八巻第一〇号」1951(昭和26)年9月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,728 字 · 16 页
いつも現代に生れるのです。
終戦後の文章で際立って巧妙になったのは、まず各新聞の碁将棋欄です。みんな揃って達人になった。実に短いけれども、卓抜な読み物です。特に三象子がうまい。対局の技術上のことも、心理上のことも、急所だけピタリと押えて一般向きの興味津々たる読み物に仕上げています。
これを新聞の他の連載的読み物と比べてみるとその卓抜なのが分る。たとえばどの新聞にも匿名批評がある。文学のもあるし、政治のもあるが、その一般向きの点でも、文章の巧みさの点でも、本職の文士の匿名批評がとても及ばない。しかも、そのヒラキが大きいね。その他、身の上相談の文章も、スポーツの批評も、とても問題にならない。碁将棋欄の文章だけが各紙そろって達人ぞろいとなり、一般向きの、そして特に興味ある読物になったのはどういうワケだろう。これに匹敵する新聞紙上の花形は、漫画ぐらいのものです。人物会見記も、妙に相手をいたわるような気風が現れてきて、だんだんつまらない物になってしまった。
三象子の文章が特に生きていて、いちじるしく活写の筆力が鋭いのは、彼は木村にも升田にも同情しない。別に悪意は毛頭ない。