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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
1 奇矯な着想「オール読物」文藝春秋、1954(昭和29)年10月号<br>2 意外な犯人「週刊朝日 推理小説特集号」朝日新聞社、1955(昭和30)年10月10日<br>3 兇器としての氷「犯罪学雑誌」日本犯罪学会、1952(昭和27)年3月復刊号<br>4 異様な兇器「読切小説集」テラス社、1953(昭和28)年11月増刊<br>6 隠し方のトリック「探偵倶楽部」共栄社、1953(昭和28)年8月号<br>7 プロバビリティーの犯罪「犯罪学雑誌」日本犯罪学会、1954(昭和29)年2月号<br>8 顔のない死体「探偵倶楽部」共栄社、1952(昭和27)年5月号<br>9 変身願望「探偵倶楽部」共栄社、1953(昭和28)年2月特大号<br>10 異様な犯罪動機「宝石」岩谷書店、1950(昭和25)年8―11月号<br>11 探偵小説に現われた犯罪心理「文化人の科学」、1947(昭和22)年3月号<br>12 暗号記法の種類「宝石」、1953(昭和28)年9・10月号「類別トリック集成」の一部<br>13 魔術と探偵小説「新青年」、1946(昭和21)年10月号<br>14 明治の指紋小説「宝石」、1950(昭和25)年12月号<br>15 原始法医学書と探偵小説「自警」、1951(昭和26)年9月号<br>16 スリルの説「ぷろふいる」、1935(昭和10)年12月号<br>「類別トリック集成」目次「続幻影城」早川書房、1954(昭和29)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 119,820 字 · 235 页
火箸のようなものをさし、その一端に丈夫な絹糸などを結びつけ、その糸を下にたらして、ドアと床との隙間から外へ出しておく。そして、外に出てドアをしめ、廊下に出ている糸を引けば、火箸が回転して鍵がかかり、火箸は自然に下に落ちる。それを糸で隙間から外へたぐり出し、ポケットにおさめて立ち去る。火箸でなくても金属の棒ならなんでもよろしい。竹や木だと重味が足りないので、うまく下に落ちないおそれがある。ピンセットでもよろしい。鍵に輪になった個所がない場合は、ピンセットをしめて、鍵の元のほうの遍平な個所をおさえておけば同じ働きをする。この場合落下させるときには、少し強く引かなければなるまい。
★小説ではこの方法が面白いのだが、しかし、実際問題としては、こんな手数をかける必要はない。薄い鋼鉄でできたピンセット型のもので、先は尖らないで薄くなり、その内側にすべらないためのヤスリ目がはいっている道具を用意すればよろしい。犯人は内側の鍵穴に鍵をはめておいて、外に出てドアをしめたあとで、外側の鍵穴からこの道具の先をソッと入れ、探ぐるようにして、内側からはまっている鍵の先端をつまみ、グッと回転させて、錠をおろせばよいのである。