轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
「読売新聞」1927(昭和2)年1月15日~6月26日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 204,697 字 · 406 页
乃至、彼は其生来獰悪人であったが、事件の内容たりし殺人の真相はいかゞであったか。これらについて其半面の真相を知る者として、証人の一人であった自分亦これを言う権利と義務があろう。従来彼を狂人と云い、猛獣同様に取扱った官憲の非は勿論、同時に彼を曲庇弁護して、完く無罪、冤罪だと言いふれた者の非をも撃たねばなるまい」
筆者は茲に支倉の死と共に筆を擱くに際し、かくの如き至難比類なき疑獄事件に、終始一貫、不屈不撓の精神を以てよく犯罪を剔抉し得たる庄司署長、快刀乱麻を断つ如く判決し了った宮木裁判長の英断、正道を踏んで恐れざる神戸牧師の勇を称え、尚被告の為めに献身的努力を惜まざりし能勢氏の労を多とすると共に、支倉が苦闘八年遂に第二審の判決に至らしめず、疑いを千古に残して自ら縊れ、死後尚庄司署長以下の名声を傷つくる挙に出でたる彼の妄執を憐れみ、且つ恐れるものである。
(〈読売新聞〉昭和二年発表)