轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しなまいのふくろ

支那米の袋

夢野 久作

「新青年」1929(昭和4)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,357 字 · 50 页

青空文庫

何故って、万が一にも妾からそんな話を切り出したら、あんたがビックリして逃げ出すかも知れないと思ったからよ。……だけど、それがもう今夜という今夜になったらトテモ我慢がし切れなくなっちゃったのよ。

妾はきょうも、いつものように日暮れ前からこの室に這入って、お掃除を済まして、ペーチカに火を入れたの。そうしてスッカリお化粧を済ましてから、あんたを待ち待ち昨夜の飲み残しのお酒を飲んでいたら、そのうちに室の中が静かアに暗くなってね。向家の屋根の雪の斑と、その上にギラギラ光っている星だけがハッキリと見えるようになって来たじゃないの……妾もうスッカリあの晩と同じ気もちになってしまってね……たまらなく息苦しくて息苦しくて……。アラ……睡っちゃ嫌よ。……睡らないで聞いて頂戴ってばさあ……まあ嫌だ。本当に酔っちゃったのね……人が一生懸命に話しているのに……。

……ね……わかったでしょう……あんたにもわかったでしょう。妾のそうした気持ちが……ね……妾、お酒に酔って云っているのじゃないのよ……いいこと……ね。ね。だから妾は今夜こそイヨイヨ本当にあんたを殺そうと思って、ワザワザこの短剣を買って来たのよ。