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かいぜんはあたまから

改善は頭から

丘 浅次郎

「活人」1926(大正15)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,833 字 · 8 页

青空文庫

馬鹿げた迷信さえも、排斥することを遠慮するような姑息な態度では、およそ「改める」という字の付くことは、何もできないにきまっている。

そこで私は、生活改善を目的とする会の人々に次のことを勧める。まず、事業を第一期と第二期とに分け、第一期には頭の改善を、第二期には生活の改善をはかることとする。しかして第一期には、頭の改善を行なうための手段として、まず迷信の打破を実行する。およそ物の曲ったのを直すには、反対の側へ曲げる位にせねば効がない。それゆえ、迷信を打破するためには、わざわざ迷信の反対のことをして見せる位の覚悟を要する。生活改善を唱える人々は、もし家を造るならば、はなはだしい差支えのないかぎり、便所を鬼門に造れ。息子の嫁を探すなら、まず丙午の娘を第一の候補者に選べ。棟上げは二、三日延ばしても仏滅の日にせよ。葬式はなるべくは友引きの日に出せ。この位な覚悟で着手しなければ、頭の改善はできず、頭の改善ができねば、いくら生活改善、生活改善と騒いでも、碌な生活改善はできぬ。その代り、もし第一期の事業に成功すれば、第二期の事業は実に容易であって、ほとんど捨て置いても独りでにでき上る。