轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほうろう
放浪
織田 作之助
「文學界 第七年第五号」文藝春秋、1940(昭和15)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 23,614 字 · 47 页
ぽか/\ぺん/\うら/\/\と変なひとり言も呟いた。
ある日、美津子が行水をした。白い身体がすくっと立ち上った。あっちィ行きィ。順平は身の置き場の無いような恥しい気持になった。夜想出すと、急に、ぽか/\ぺん/\うら/\/\。念仏のように唱えた。美津子にはっきり嫌われたと蒼い顔で唱えた。近所のカフェーから流行歌が聞えて来た。何がなし郷愁をそゝられ、文吉のことなども想出し泣いたろ、そう思うとする/\と涙がこぼれて来て存分に泣いた。二度と見ない決心だったが、翌くる日、美津子が行水しているとそわ/\とした。そんな順平を仕込んだのは板場の木下である。
板場の木下は、東京で牛乳配達、新聞配達、料理屋の帳場などしながら苦学していたが、大震災に逢い、大阪へ逃げて来たと言った。汚い身装りで雇われて来た日、一緒に風呂へ行ったが、木下が小さい巾着を覗いて一枚々々小銭を探し出すのを見て同情し、震災の時火の手を逃れて隅田川に飛び込んで泳いだ、袴をはいた女学生も並んで泳いでいたが、身につけているものが邪魔になって到頭溺死しちゃったという木下の話をきくと、順平は訳もなく惹き付けられ、好きになった。