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せいじとさっかのげんじつ
政治と作家の現実
宮本 百合子
「文学」1947(昭和22)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,700 字 · 37 页
ソヴェト同盟の社会がベス・プリゾールヌイのために「子供の家」を建設し、彼らの人間性の尊貴と有能性とを腐敗から防衛したことは、映画芸術で「人生案内」の感動的作品を生む動機ともなった。これから日本語に翻訳されようとしている「教育的叙事詩」という卓抜な文学作品となって現れた。そしてソヴェト社会建設の各分野に働く生ける何万人かのアヴデンコとして。
国内戦時代のたたかいの結果、失明し全身不随となった若いオストロフスキーが、同志と家族にたすけられつつ、その生涯の終りに「鋼鉄はいかに鍛えられたか」という長篇小説をのこした。このことは、ただ彼が成功した一人の素人作家であって、十九世紀ロシアのリアリスト劇作家オストロフスキーと、輝やかしい同姓異人であるということだけではない。除村吉太郎氏の紹介に記されているソヴェト同盟の第一次五ヵ年計画達成以後の文学的年代は、その大なる積極面として、はっきり、ソヴェト社会の特殊性によって生みだされ、育てられ、人間となった新しい市民としての作家を、素人作家という形でおくり出したのであった。この時代、ソヴェト文学の消極面が、安易な些末主義に陥ったということは、むしろその一つ前の時代に旧い偶然性によって登場し、あるいは新しい社会への転換に伴う現象的影響で溌剌と亢奮を示した古い社会からの既成作家