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せいじとさっかのげんじつ
政治と作家の現実
宮本 百合子
「文学」1947(昭和22)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,700 字 · 37 页
コンスタンチン・シーモノフは旺盛な三十歳という年齢、彼の感性的な素質、経験の追求、観察の追求における作家らしい生活性などは、日本の浅く乏しい社会生活の流れの上に立った期間においてさえ、私たちに感受された。彼の横溢性はアメリカの横溢性と向いあい、まじりあって、彼が社会主義の段階に到っている民主国の市民、その人民の作家であることを、どのようなおどろきをもって再確認するであろうか。ここに、一つの大なるみものがある。ジダーノフの報告に警告されている、ソヴェト作家の外国文学追随の弱点というようなことは、シーモノフの一例でも見られるとおり、ソヴェト社会が、人類の歴史にもたらしつつある寄与の大きさによって、国際的となりはじめた若い有能な作家・技術家・諸市民が、自身の生活的実感において国際的になりつつある、その現実からこそ、揚棄されてゆくのである。
ソヴェトの人民国家が、あらゆる偏見の内部においてさえ確実に占めつつある国際的な存在意義にともなうその文化・文学の国際性は、ドストイェフスキー、トルストイ、ツルゲーニェフらがむかしも今も有名であり、ゴーリキイがパリで演ぜられ、チェホフはイギリスにガーネット夫人という自身の翻訳者をもった時代にくらべれば、本質的に飛躍している。