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せいじにかんするずいそう

政治に関する随想

伊丹 万作

「キネマ旬報 再建第三号」1946(昭和21)年6月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,515 字 · 11 页

青空文庫

私一個の意見としては、立候補を成立せしめる基礎を候補者自身の意志に置く現行の法規を改め、これを候補者以外の多数の推薦者の意志に置くことに改め、候補者自身は選挙費用として一銭の支出も許さぬことにしなくては理想的な選挙はとうてい望み得ないと信ずる。また、かくすることによつてのみ、真に優秀な、そして私欲のない代議士を得ることができると信ずる。

右のような私案は、現在の過程においてはおそらく一片の理想論として、何人からも顧られることがないであろう。しかし、由来理想と現実とを区別する客観的な規準などというものはどこにもありはしないのである。たとえば、アメリカ人にとつてきわめて現実的な課題であつた原子爆弾の製造は、日本人にとつては一つの幻想にすぎなかつたではないか。しかし、この問題についてこれ以上執拗にうんぬんすることはここでは差し控えたい。

いずれにしても、日本の政治をよくするために、そして真にそれを民衆のものとするために、何よりも緊急なこと、そして何よりも有効な処置は、まず何を措いても民衆に対する政治教育を盛んにすることである。

それには種々雑多な方法があるであろうが、しかし、肝腎なことは、それを何人の手にもまかさず、我々自身の手でやるということである。