轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぶんがくとせいかつ

文学と生活

宮本 百合子

「入門文学講座 第三巻」新日本文学会、1950(昭和25)年3月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,476 字 · 34 页

青空文庫

耳にこころよいメロディーというものも、その人の全生活の内容、個々の生活の営まれている方向とのつながりをもっている。だからどんな音でもきこえて来る音に対しては受け身で、いわゆる無意識にきき流し、どんな習俗でもそれがはやりなら無意識にまねをする。そんな虚無性の一方でイデオロギーとして知識の形で、頭に入っているものだけを自分の階級性だと思ったりしているところからは、生きた実感で統一された文学が生れるわけもない。

日本の新しい文学が生れてくるためには、おびただしい困難がある。商業ジャーナリズムの害悪はもちろんである。しかし、もっと深いところでこんにち認められる危険は、資本主義社会のいわゆる文化、娯楽が、きわめて知覚的な刺戟の連続として歌謡・バレー、あてものなどで組立てられ、プログラムづけられているということである。労働条件のわるさ――たえざる疲労と心労、生活不安と、からみあって来ているこの娯楽の知覚的な方向へのそらせかたは、よほど警戒されなければならない。働いて、くたびれた時間の全部は、じっと考えさせず、たえず音や色や動きでまぎらしてしまおうとする娯楽の知覚化――「二十の扉」