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ぶんがくとせいかつ
文学と生活
宮本 百合子
「入門文学講座 第三巻」新日本文学会、1950(昭和25)年3月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 17,476 字 · 34 页
もよみ、スタンダールの「赤と黒」もよみ、レマルクの「凱旋門」もよみ、「風とともに去りぬ」もよんでいるとする。同時に「たけくらべ」「にごりえ」をよんだことがあるし、「あぶら照り」「妻の座」も読んでいるとする。「伸子」を読んでいるかもしれない。そしてこれらのすべての作品をそれの書かれた時代の順にくらべて考えてみる力ももっている。「女の一生」のジャンヌと「凱旋門」のジョアン・マズーとの間にどれだけ大きなヨーロッパの資本主義社会全体の変化が語られているかということを理解し、スカーレット・オハラの強い性格が南北戦争の波瀾を通じて精力的に日々の生活ととっくみながら、いわゆる逞しく生きとおされながら、その窮極では一つも社会的な人間としての性格発展なしに、もとの自分の農園にかえってゆく、そのように通過された生活があるだけの人生の生き方について疑問をもっている。「にごりえ」の世界を、現代の売笑の女の気風とくらべたり、「妻の座」を「あぶら照り」や「伸子」とともに「女の一生」と連関させて考えることもできる。
そういう人は世間でいう文学の話せる人の、タイプである。今日の世界民主婦人連盟について知っており、ソヴェト同盟や中国の新しい社会で婦人がどう生活しはじめているかということについても、相当に知っているだろう。